三好と鳥海

「え、男性でなく弟様と? いまさら?」

 友人にも驚かれたが、個人でも驚いていると言う。ふる里の福島で引き取り手と暮す5年齢下の弟が、去年さっさと、都内出向になった。一人暮し転勤で一から家財を備え付けるのは大変。各週後半新幹線で福島に舞い戻るので、都内駅界隈が良い。しかしそのゾーンは10万円出してもワンルームかどうせ1DKで大した客間を借りられない。

「一人暮し転勤の折だけ一緒に住もうか?」「はい、そんなにしようかな」

 ナチュラル流れで、山手線の御徒町にいる家を借り上げることになった。ネイティブは、18年齢で上京。建築を学んだカレッジ時期も含め、祐天寺、学芸カレッジと思う存分目黒区で過ごしてきた。

「依然として7カ月ということもありますが、街路にはまだ慣れませんね。超絶や商店街路もない。保守屋様が乏しいのはとくに困りますね。ただ両者の額を足すと、駅近の2LDKも容易に探せます。一際大きいキッチンのところに住みたかったので、今の間取りや客間は全く満足しています」

 よもや独り暮らし20ご時世目にして、山手線の東側に弟と暮すことになろうとは。しかし、期間限定だからこそ楽しんでしまおうという遊び心も垣間見える。

「これまで、都内ターミナルというのをちゃんと見たことがなかったので、ふたたび見直すと正に素晴らしい家ですなあと感動しますね。地下鉄のターミナルもたくさんあって有楽町ターミナルなんて、どこにでも行けてはなはだ手軽!未だにクライアントやる気で街路を捜査中だ」

 弟が中学のときに、家内は進学で上京やる結果、ふたりがグループ屋根の下で暮すのは前述の街路20ご時世振りです。ところがいかほど時間が経っていようと、そこは引き取り手の使い勝手で「意外に楽に一生がつくれた」との実態。

 根っから献立フェチだが、ふたり暮しになって献立の度数が圧倒的に増えた。弟が外部で摂るのが好きではないからです。

 煮物は休日にまとめて仕掛ける。ちなみに今日の冷蔵庫に入っていたのはほたるいかです。きのうは刺し身にして食べ、今日は竹の子と菜の花と炒める了見だという。

「そういった食材も独り暮らしだと1プログラムは多くて買わないのですが、ふたりだと迷わず選べる。煮物も鍋豊富焼けるのがいいですよね」

 失敗しても気を使わない。

「今日のは今一なの、私もわかって差し出してるから。でもできちゃったしね。食べて、といって出します。弟も特に意図に介さないですね」
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 今日ですいっていいなあと、うらやましくなった。カップルや同棲カップルだとこうはいかないだろう。

 ひとまずゲームに来た弟の奥様からは、「お姉さんのおかげで人間らしい暮しができてよかった。単独にすりゃ何を採り入れるか心配だったんです」と歓喜された。